彼女に教えてもらった料理の楽しさ

両親が他の街へ移住する事となり、私は仕事があるので、地元に残った。
母親からはちゃんと自炊しなさいよと言われてはいたのだが、一人暮らしを始めてしばらくは自炊をせず、コンビニ弁当や外食で空腹を満たす毎日であった。
一人暮らしを始めて約2ヶ月後に彼女ができ、同棲をするようになり、彼女が料理を作ってくれるようになった。
最初の頃は彼女が料理を作っている様子を横で微笑みながら見ていただけだったが、徐々に少しずつ野菜を洗ったり、炒めている間に混ぜたりと手伝うようになり、気がついたら一緒に料理を作るようになっていた。
そうしていくうちに、料理の面白さに目覚めていった。
彼女と喧嘩をして、彼女が家を出ていった時、戻ってきた時のために初めて1人で料理を作った。
その日は結局彼女は実家でご飯を食べてから戻ってきたから私が2食分食べたけど、彼女からまた今度作ってねと、笑顔で頼まれた。
それからというもの、私の方が料理を作る頻度が増えていった。
彼女は「あなたの料理が美味しすぎて、私の料理を出すのが恥ずかしい。」と言うようになってしまった。
それでもたまに作ってくれるし、料理初心者の私にアドバイスをくれたりとしてくれるので、ありがたい限りである。
彼女のお陰で料理の楽しさ、自分で作る美味しさを教えてもらえた。
本当に、本当に感謝である。